嵐山モンキーパーク いわたやま

霊長目 > ニホンザル/ヒヒ

嵐山(京都市西京区)の岩田山にあるモンキーパークでは現在展望台付近のエサ場を中心に約160頭のニホンザルが生活している。その一頭一頭は生まれた日がわかっており、すべての個体を識別するための名前がつけられている。嵐山E群とよばれるこの群れは、昼間はエサ場ですごし、夕方になると寝ぐらである山中にもどっていく。そして、朝になるとまた山からおりてきて人からエサをもらいながらエサ場近くですごす、という行動パターンをとっている。彼らはもともと野生のサルたちであるが、餌付け、人付けされているため、人をこわがったり、また逆に人をおそったりすることはない。人間の方が「目をあわさない」「近づきすぎない」「決められた場所以外では餌をやらない」などの最低限のルールさえ守れば、ニホンザルの様子を間近でつぶさに観察することができる。エサ場には人のための休憩所があり、金網で囲まれたその休憩所の中からは人がリンゴやピーナツ、サツマイモなどのエサを直接手わたしでサルたちにやることができる。休憩所や少し離れた場所にある展示室にはニホンザルの生態や体の特徴、嵐山E群のサルたちについて知ってもらうためのさまざまな掲示物等がかけられている。おりや囲いの中に入れていない野生のニホンザルをできる限り人に近いところで観察できるように力をつくされていることが推薦の理由である。餌付け、人付けは京都における長年のニホンザル研究の中で続けられてきたのだが、半野生のサルたちを管理し続けるというのはたやすいことではない。観光客のふえる秋には、山の実りが豊かでサルたちは昼間でもすぐに山にもどってしまう。そんな時には、職員がピーナツをもってけわしいがけを登り下りし、サルたちを呼びに行く。また群れが山すそに下がりすぎると、旅館や民家の方へ出ていかないように、大声でパチンコでおどかしながら群れを上の方へ追い上げる。間近で観察できる反面、人とサルのトラブルも皆無ではない。サルとの接し方、人が守るべきルールを常にアナウンスしながら交代で監視する。一方で、餌付けしていることの弊害を防ぐために体重測定やバースコントロールも行っている。高校の実習を受け入れたり、観察教室をひらいたりして、ニホンザルについて学生や市民が学ぶ場も提供しておられる。このような職員の方々の努力で、嵐山モンキーパークは野生ニホンザルと人とをつなぐ貴重な場になっている。