オランウータン舎

霊長目 > オランウータン

樹上で生活するように習性・体型・能力が特殊化したオランウータンに、木に登る・高所での移動手段としてブラキエーションを必要とする空間になっています。また来園者との関係では、球体の放飼場でオランウータンが手をたたくと下から見上げている来園者のまねをして手をたたきます。明らかにオランウータンが来園者を暇つぶしの相手として利用しています。現在までに考察・建築した獣舎は、それぞれの動物の能力・習性を発揮させ、動物たちが生き生きと過ごせるように考えました。見る側にとっても生き生きとした動物を見るのは気持ちがいいはずです。当園の場合、生き生きとさせる工夫の中にエンリッチメントは含まれていることと考えます。さらに動物園は「見てもらうための施設」ですから、来園者を動物のストレスの対象とは考えず、いかに単調になりがちな飼育動物の「気晴らし」の対象になるかを考えました。来園者は見ているつもりでも実は動物の側が見ている目線関係になるかを考え、見る側にとっても「回り込んで見てみたい」を満足させられるように工夫しました。いずれも動物を無理に見せ場にいるように仕向けるのではなく、動物が自然とこちらが意図した行動をするようにしてあります。また、すべての建物で既成の看板は最小限にとどめ、大半の情報は「手書き看板」で行なえるようにしてあります。