アルペン動物園
Alpen Zoo


報告者は 赤見理恵&赤見朋晃

訪れた日は 2004年5月24日です。



オーストリアの西の街、INNSBRUCKにあるAlpen Zooは、その名の通りアルプスの山岳地帯に生息する動物を中心に飼育する動物園。ヨーロッパの動物園にしてはかなり風変わりな動物園です。ヨーロッパの動物園というと、平坦で広大な敷地に広い放飼場、というイメージなんですが、山の山腹に作られているので園内は急な坂だらけ、なんだか日本の動物園のようでした。

■飼育動物も独特
代表的な動物を集めることに斜頚しがちな動物園ですが、ここにはゾウもライオンもゴリラもいません。いるのはヨーロッパオオカミ、ブラウンベアー、ステインボック、ライチョウ、そしてたくさんの山岳地方固有の鳥類など、アルプスの動物ばかりを集めているのです。そのためそれぞれの動物の展示に力を入れられますし、来園者もゆっくりと観察することができます。そのためか小さいながらもオーストリアではかなり人気の動物園で、遠方からの観光客のために街中にも「AipenZooこっち」という看板がたくさん掲示されていました。泊まったホテルでもパンフレットが置いてありました。

■次々に新しい施設をオープン!
そして最近注目されている理由はそれだけではありません。企業スポンサーをとって、新しい施設を次々にオープンさせているのです。オオカミやオオヤマネコの大きな放飼場、ライチョウとトキのフライングケージ、そして後述のブラウンベアーの展示など、どれも立派すぎず、地形を活かした良い展示を作っていました。写真はステインボックの放飼場。向こうにアルプスの山々が一望でき、彼らが好むごつごつした斜面に放飼場が作られています。


次の写真はオオヤマネコ。うっそうとした森林をそのまま囲った放飼場の中に目を凝らすと、大きな木の幹の中央に据え付けられた台でオオヤマネコが寝ていました。

その一方で、昔からある古びた展示も良い味を出していました。ガラス張りのケージが3つしかないビバリウムは、カヤネズミと2種類のサンショウウオがとてもよく動いていて楽しめましたし、普通の檻型の展示の中には緑が茂っていて、アルプスの野鳥があちこちでさえずっていました。写真はライチョウ。

■最新のブラウンベアーの展示
そして今一番人気なのが、オープンして間もないブラウンベアーの展示です。屋外放飼場は広く滝や池が設置されていて、池にはサケが泳いでいます。サケを追う姿は見れませんでしたが、池に使って枝で遊んだりしていました。また地下から水中を観察できるガラス張りの部分もあり、頭骨標本やクマの一生などの展示物もありました。

この展示の一角にある子どものための施設は面白いです。クマの冬眠穴のようなところに入っていくと、そこには実物大のクマのパネルがあったり、枯れ木を登っていくと2階へ出られたり、アスレチック気分でクマの生息環境や能力を体験できるしくみになっていました。ウッドチップが敷き詰められたアスレチック広場も隣接していて、楽しそうなモノがたくさん。子どもの頃に来たかった、、、。

■子ども用のガイドブック
ショップでかわいいガイドブックを見つけました。子ども用だけど、大人も見ていて飽きない内容。なんといっても、イラストがかわいい!見開きで1つの動物を紹介していて、右ページは全てイラストです。左ページには動物の説明に加え、クイズやワークがあって、楽しみながら学べる工夫も。最後のページにはクイズの答え合わせとポストカードまでついていました。

とにかく、アットホームな雰囲気が魅力的な動物園でした。そして、コンセプトがはっきりしているところが良い!

アルペン動物園の公式サイトはこちら↓
http://www.alpenzoo.at/

 


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