バーゼル動物園
Zoo Basel


報告者は 赤見理恵&赤見朋晃

訪れた日は 2004年5月26日です。


バーゼル市内の南端に位置する動物園は、市街地の中の公園といった雰囲気。広さはそれほどありませんが、緑が多く動物舎にも比較的ゆったりとしたスペースが与えられていて、良い雰囲気です。そしてなんといっても、異種間混合飼育がすごい!思いも寄らない組み合わせに出会って、本当に驚きました。

■カバとシマウマとダチョウ
入園してまず見たのが、カバでした。なにやら芝生の上で「はむはむ」しています。芝生の上で採食するカバ。うーん、さすがヨーロッパ、、、と感心していたら、急に足元から「バシャーン」という音が聞こえてびっくり!良く見ると、カバは大、中、小の3個体います。子どもはまだ1歳ほどでかなり小さく、遊び盛り。1人で「バシャーン」とやっては潜って、また別の場所で「バシャーン」。母親カバとカメラを構えた私たちは、この子にふりまわされっぱなしでした。

さて、カバのとなりにはシマウマとダチョウの放飼場があります。両者は枝を積み重ねた垣根で仕切られてる、、、と思いきや、プールがつながっているじゃあないですか。いやいや、きっとプールからシマウマ側の陸場へは上がれないようになっているはず。と思ってみていたら、子カバがすとすとシマウマ側の陸場へ上がって行きます。シマウマと子カバの奇妙なキスシーン(!?)があったと思ったら、陸地ではシマウマを警戒して子カバが逃げたりなど、微妙な関係にあるようです。子どもを心配しつつ、自分は遠巻きに見ているだけの母カバの様子が、なんとも面白かったです。

■ヘビとネズミとクモ
砂漠性のヘビの展示(ガラス張りの小さなもの)には小さなげっ歯類とクモまで一緒に飼育されていました。クモは発見できませんでしたが、げっ歯類は高さのある植栽の上で過ごしていることが多く、うまくヘビを回避しているようでした。

写真は、手前でボケているのがヘビ、奥の植栽の下のほうにいるのがげっ歯類です。

他にも、園内全域で異種間混合飼育にチャレンジしていました。地上性の動物と樹上性の動物を混合飼育するのはもちろん、ウーリーモンキーとリスザル、アンテロープ(種名忘れた)とディクディクなど、近縁種の大小という組み合わせもあります。小さい方が敏捷ですし、必ず小さい方しか入れないエスケープゾーンが設けてあるので、うまく共存しているようです。写真はウーリーモンキーとリスザルです。

■ライオンとイタチ
さらに驚くべき組み合わせに出会いました。砂地と木立の組み合わせがバランスよいライオンの放飼場では、ライオンの群れがお昼寝中。よくある光景ですよね。「なーんだ、つまらない」と通り過ぎようとしたその瞬間、もう1つの種名パネルを発見!なんと、ライオンと一緒にイタチの仲間が同居しているようです。

ライオンのお昼寝タイムは、すなわちイタチたちの活動タイム。ライオンが寝ていることを確認すると、地中の巣穴からどんどんイタチたちが出てきます。ちょこちょこ動き回る彼らを、ヒヤヒヤしながら見守る来園者たち。これにはびっくりしました。写真は手前右手にイタチが、奥の方にライオンが写っています。

■ズースクール
私たちが訪れたのが平日であったためか、園内にはたくさんの学生・生徒の集団がいました。学年も小学生から大学生まで様々。学校の先生が引き連れて解説している場合もあれば、動物園が設置するズースクールのグループもあちこちで見かけます。

霊長類館の中には室内展示場のガラス面の前に階段が設けてあって、その階段に20人くらいの子どもたちを座らせて、ズースクールの先生が展示を見ながら「あのオランウータンは麻袋をかぶるのが大好きなんだ」「オランウータンは歩くとき手のひらを地面につくけど、ゴリラはどう?」といった話(ジェスチャーからするとおそらくこんな話)をしていました。子どもたちからもどんどん手が上がり発言が出て、楽しそうな雰囲気でした。

また園路を2人一組でポニーを引いた子どものグループが通りました。ズースクール用のポニーが飼育されていて、丸1日かけてじっくりポニーと接するプログラムがあるようです。

エントランスの所でレポートを回収する先生がいたので、思い切ってどんな授業なのか聞いて見ました。高校のアートの授業で、90分で4種の魚、2種の植物をスケッチし、学校に帰ってから色をつけるんだそうです。バーゼルの端にある学校だから1年間に2回くらいしか来れないんだよ、と言っていました。その他、スケッチをする人、ワークシートを持って走り回る子どもたちなど、平日といってもとっても賑やかな動物園でした。

バーゼル動物園の公式サイトはこちら↓
http://www.zoobasel.ch/

 


ご意見ご感想は、赤見理恵&赤見朋晃まで。



 Copyright(C) 2001, 市民ZOOネットワーク, All rights reserved.