ミュンヘン動物園
Munchen Tierpark Hellabrunn


報告者は 赤見理恵&赤見朋晃

訪れた日は 2004年5月23日です。



ミュンヘン動物園のコンセプトは「GeoZoo」。今では「アフリカ園」や「アジアゾーン」など生物地理区でゾーニングする動物園は増えていますが、そういったコンセプトを取り入れた初めての動物園(本当かどうかは未確認)ということで有名です。霊長類の展示にも力を入れていると聞いますし、ドイツ屈指の大規模動物園ということで楽しみにしていました。

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しかし、駐車場に車を止めてから周囲を見渡しても、ゲートらしいものがありません。少し歩くと、歩道から少し入ったところにゲート発見。、、、、小さい。大きい動物園の割に、質素な入口なんですね。実は現在、正門を改修工事中で、もう1つのゲートがメインゲートになっていたんです。

園内は36ヘクタール。都市型動物園にしては広めです。二等辺三角形の形をした園内には1本の川とたくさんの支流が流れていて、全体的に平坦な地形。水が豊富なためか木もよく茂り、うっそうとした森とそれらを映す静かな川の流れが印象的な動物園です。

□ゴリラの家族
動物園の中でも一番大きな建物が、類人猿を中心とした屋内展示場です。ゴリラは屋内だけで2つの放飼場があり、真ん中にオトナオス1、オトナメス3、子ども大1、子ども中1、子ども小1の7個体の家族がいました。日本の動物園ではゴリラを群れで見られるところは上野くらいですし、子どもが複数いる園は皆無です。ここでは、子どもたちが親に見守られながら遊ぶ風景が見られました。

ゴリラの子どもの遊びは結構荒っぽいです。干草にくるまって転がるのは基本中の基本。そのまま1メートルほどある台から「ドーン」と転がり落ちて、干草を手に持ったまま走り回ります。一方、段ボール箱はやけに丁寧に剥がして遊んでいました。

□オランの子ども、大はしゃぎ
オランウータンは、ゴリラとは別の建物にいました。2つの屋内放飼場があり、両方ともあまり広くはありませんが、消防ホースやポリタンクなどたくさんの物が入っていました。片方には大きなオトナオスとオトナメス1、子ども大1、子ども小1がいました(ということは子どもたちは兄弟?)。大きなオスが一緒にいることにびっくり!でも子ども達がすき放題に遊ぶ様子をゆっくり目で追っていました。小さい方の子はまだ少し遊んでは母親のところに戻りお乳を吸っていましたが、大きい子の方は遊びざかり。今ヒットしているのはプラスチックの樽のようで、樽に入ったまま手だけ出してロープを引っ張り移動したり、ロープに繋がったタイヤなどを揺らしまくったりするのが楽しいようです。もう一方の放飼場には母子の2個体のみがいました。この子もやりたい放題。写真にあるチキンのようなもの。これ何だと思います?答えは、口だけでぶら下がるオランの子どもです。これには一緒に見ていたドイツ人も大笑いしていました。

□ここにもあそこにも盛り枝
霊長類に次いでこの動物園で力を入れているのが、草食動物の展示です。広いスペースに、ガウアーやブラックバックなどなどウシの仲間を中心にたくさん飼育されています。で、どの放飼場を見ても気がつくことは、中央辺りに枯れ枝がどーんと盛られた「盛り枝」があること。そしてウマの仲間を除いて、全ての放飼場で緑が茂っていることです。盛り枝は、隠れ場所となるだけでなく、動物たちが時々枝を食べたりしていました。もしかしたら他にも緑が茂ることのヒミツがここにあるのかも。職員さんに聞いてみようと思いましたが、時間もなく断念。

□イヌも一緒に
そして最も驚いたのが、園内にイヌを連れて入れるということです。オオカミをヒトとイヌが一緒に見ている、、、。こんな風景が普通にあるんです。私はこんな風景見たことないので、どうなるのかヒヤヒヤして見守りましたが、イヌの方も見られる動物の方もいたって普通。慣れているんでしょうか?もちろん、フライングケージなどいくつかの場所ではイヌは立ち入り禁止になっていて、かわいいイラストで図示されているので誰でもすぐにわかります。そのような場合は前にイヌを繋いでおいて、飼い主は展示を見に行くといった具合です。ただ、どこの動物園でも一緒に入れるわけではないようで、フランクフルト空港の本屋で仕入れたヨーロッパ動物園ガイドでは、レストランやパーキングのマークと並んで、イヌを連れて入れるかどうかのマークがありました。うーん、びっくり。

□子どもにとっても
園内一番奥にあるKinderZooは、とっても楽しげなところでした。ふれあい動物がいるのはもちろん、アスレチックや乗馬、そしてワクワクするようなお菓子のお店などがあります。ここでレストランに入りましたが、レストラン内も小さな机や船に似せた装飾などがあって、楽しげな感じになっていました。

まず目を引いたのが、大きなつり橋です。広いふれあい広場(ヤギなどが放し飼いにされている)を横断するようにかけられたつり橋はかなり狭く、揺れること揺れること。子ども達は大喜び。お母さんは途中で「もうダメ」と引き返す人もいました。

乗馬も面白かったです。ウマは5頭。職員さんは1人。え?どうやってるの?と思いませんか?実は、5頭のウマが電車のように繋がっているんです。だから職員さんは、先頭のウマだけ誘導すればよいというワケ。妙にシステマティックな乗馬コーナー、でもちょっと味気ないかも。

□ミュンヘンのペンギンたち
ペンギンとホッキョクグマが隣り合わせになった展示に、キングペンギンとフンボルトペンギンがいました。室内展示です。「あれ?GeoZooじゃなかったっけ?」と思ったのは私だけでしょうか?キングペンギンは南極(周辺)、ホッキョクグマはもちろん北極。気候区で言えば近いけど、地理区はずいぶんと違うんじゃぁないかなーーと思いながら見ていました。さらにフンボルトペンギンに至っては全然極地じゃないですし。「POLARIUM」という名前の建物でした。

ミュンヘン動物園の公式サイトはこちら↓
http://www.zoo-munich.de/

 


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