フランスの西端、イギリスとの境界チャネル海峡への窓口として有名なサン・マロ(St. Malo)の町で偶然見つけたのが、このGrand Aquariumです。フランスを抜け一路ジャージー島へ向かう途上で、フェリーを予約するために早めに港に着いたので、予約を済ませてからの1時間の猶予で急いで行ってきました。 ■凝った演出のテーマパーク風 チケットを買うとまず階段を上がるのですが、そこが既に古い客船の船内のような雰囲気に演出されています。階段を登っていくとまず出る部屋が、この館のコンセプトを示した部屋。古い客船をイメージしたレトロな内装と、沈没船を思わせるロープや樽、板切れなどの数々。そしてその部屋を通り抜けると、やっと水槽が見えてきました。 その後も内装は凝りまくり。解説パネルも船員さんの調査結果やメモのようなデザインになっていて、ベンチやテーブルも木でレトロな感じです。そして水槽内にもロープや魚網などを使って沈没船を思わせる雰囲気に作ってありました。 ただ、ちょっとウソくさい演出もいくつか、、、。写真のように実験室風景を演出しようとして、意味もない色水が入ったフラスコが置かれていたりなど、現実感が希薄なのはちょっとね。 ■音、光、方向、そして感触 館内の各ゾーンの雰囲気に、とてもメリハリがあることも印象深かったです。船室の雰囲気、深海の雰囲気、そして甲板の雰囲気。こういった演出を作り出しているのが、内装だけでなく様々な工夫です。深海のコーナーでは恐ろしげな効果音が流れ、雰囲気を出します。そして効果的な光の使い方。照明を落とすところはかなり暗くなっていますし、間接照明を使ったりメッセージ性のあるものを浮き上がらせたり、また時間によって照明の強さや色を変えたり、、、。かなり凝っていました。 さらに水槽を見る方向も単調にしません。普通の正面から見る水槽だけでなく、水槽の底を見上げられるようになっていたり、モナコで見たような上部が斜めのガラスになっているテーブル状の水槽があったりなど、見上げたり見下ろしたりする工夫がありました。 そしてなんとっても感触。足元の板がギシギシいう感触。ドラム缶や鉄のヒヤッとした感触。そしてサメやウミガメが泳ぐ最も大きなドーナツ水槽の内側のガラス面には平たいクッションが設置されていて、ふあふあしたクッションに座りながら水槽を回遊する魚たちを見上げるので、あたかも海の中にいるような感覚でくつろぐことができます。 ■ショップ そして展示を全て見終わると、ショップに出ます。かなり広いショップは目の毒。時間が無いのが悲しいです。さらにヨーロッパによくあるスタイルですが、ショップの中をくねくねと歩かないと、出口にいけない仕組みになっているのです。これはつらい、、、。 ヨーロッパ動物園水族館協会(EZEA)の加盟団体を見ても、なぜか少ない水族館。動物園の中の1施設として水族館があるという例は多いのですが、独立した水族館はあまりありません。ヨーロッパ旅行をしてみて、改めて「やっぱり日本は水族館大国なんだなぁ」と実感しました。 サン・マロ水族館の公式サイトはこちら↓ |
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