チューリッヒ動物園
Zurich Zoo


報告者は 赤見理恵&赤見朋晃

訪れた日は 2004年5月25日です。



チューリッヒは、スイスの東にある街。ここに、スイスではバーゼル動物園に次いで大きな動物園があります。その名もチューリッヒ動物園。

スイスは東と西では随分と雰囲気が違います。フランスと接している西側は平坦な農地が続きますが、オーストリアと接する東側はまさにアルプスの国。岩肌がむき出し反り立つような山には5月でも雪が残り、雪解け水が滝になって、なんとも言えない色の湖に注いでいます。

チューリッヒの街もそんなアルプスの山々からそう離れていない所にあるため、急な坂道が多く幅の狭い車道を路面電車と車がごっちゃになって行き来する、レンタカー旅行客の私たちには鬼のような街でした。

チューリッヒ動物園は、街外れの大学街を抜け、さらに坂道を上がったところにあります。着いてみると、大きく立派なゲートにびっくり。今まで見て来たヨーロッパの動物園は窓口が1つしか空いていないような質素なゲートだったのに、ショップや年間パスの購入窓口(写真用のカメラ付き)などが併設され、窓口も4つほどありました。園内は生物地理区を基本にゾーニングされています。

■類人猿舎ののんびり観覧スペース
類人猿舎に入ると、木の香りが漂ってきます。それほど広くない観覧通路ですが、擬木が壁を覆い、ガラスを隔てて動物が見える観覧スペースにはウッドチップが敷き詰められていました。ガラスの中のゴリラの親子、それを見ているガラスのこちら側の人間の親子。これが、似ていること似ていること。ゴリラも人も、小さい子どもたちはウッドチップにまみれて何人かで遊びまわっています。倒木に座った大人がそれを横目で追っています。



でも、こうやって座ってゴリラをゆっくり見られるのって、良いですよね。視線も同じ、空間も同じなので、とても親近感が沸いてきます。

■魚をいたぶるカワウソ
面白かったのは、カワウソの施設です。2つの放飼場にわかれていて、地上、水中、巣穴の3箇所を見ることができます。カワウソって、展示するには難しい動物ですよね。だって、起きているときは遊んだり動き回ったり活発に動いていて見ている方もとっても楽しいですが、寝てしまった瞬間、どこにいるかもわからない。それを面白く見せるために、2つの放飼場で(どちらかが動いている確率が高くなる)、さらに巣穴の中まで見せているということですね。片方の放飼場では巣穴に1個体寝ているだけでしたが、ふわふわした体毛が目の前で見れるのは魅力的です。

もう片方の放飼場では1個体は同じように巣穴で寝ていて、もう1個体は元気に泳ぎまわっていました。よく見ていると、何か水底の石の間にしきりに顔をつっこんでいます。しばらく見ていると、あ!小さな魚が飛び出しました。なんとこのプール、魚が放してあるんです。カワウソはそれを捕ろうとしているようです。どうやら魚はすでにかなり弱っています。それをすぐには食べずいたぶるカワウソ、、、。ちょっと残酷、、、。こういうのって、スイスの人の感覚的にOKなのかな?

■見上げるようなメガネグマ
次は南アメリカゾーンです。小道の先に開けたビューポイントからは、木や草の茂った広大な放飼場と、その真ん中にそそり立つ巨大な木の構造物が見えます。「何のサルだろう」と思ってラベルに目を落とすと、なんとメガネグマとハナグマ!!それも混合飼育!!確かに彼らが住んでいるのは南米です。

寝小屋に入る直前だったので残念ながら木に登っている様子は見れませんでしたが、母親と兄弟の子どもが元気に動き回っていました。ハナグマはうまくメガネグマを避けて行動しているようで、一瞬ちらっと彼らのトレードマークのリングテイルが草の間から見えただけでした。

■あちこちにコウノトリ
園の上空を時々大きな鳥が舞います。アオサギ?と思ったら、シュバシコウでした。そういえば以前ベルギーのプランケンドールZOOに行ったときも、こんな光景を目にしたなぁ。園内のあちこちに巣をかけるための大きな木や支柱があり、あちこちでクラッタリングの音が聞こえ、見るとヒナがそだっていました。だいたい4〜5羽くらいのヒナがたくさんの巣にいます。これはすごい。


■2020年への計画
園内に展示してあったジオラマを見ると、どうやら2020年に向けて再整備が進んでいるようです。今回見た中でも新しい展示施設は、その計画の一環となっています。そしてさらに敷地を拡大し、広大なアフリカゾーンや家畜関係のゾーンを作る様子。今後が楽しみです。


チューリッヒ動物園の公式サイトはこちら↓
http://www.zoo.ch/

 


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