Brookfield Zoo
シカゴ・ブルックフィールド動物園


報告者は 佐渡友 陽一(&章子)
訪れた日は2001年10月23日です。



#1
概要
 シカゴ郊外にあるブルックフィールド動物園は、面積74ヘクタール・年間入園者200万人・年間予算60億円という全米でも屈指の大動物園です。しかし、郊外にあるとはいうものの、園内は巨大かつ平坦な、よく区画整理された近代的な公園です。経営するシカゴ動物園協会は、全米でも3本の指に入る大規模動物園協会です(他の2つはニューヨークとサンディエゴ)。

 動物園全体の雰囲気としては、今回のシカゴの2園は以前訪問したシアトルのウッドランドパークや、ポートランドのオレゴン動物園に比べ平凡なイメージでしたが、様々な冒険的な展示がありました。中には「動物園にできること(川端裕人)」の中で「地獄絵図」とまで評された霊長類のジャングル展示のような失敗作もあるのですが、そこは全米を代表する動物園。世界的に見てもこれは素晴らしい、と感嘆するような展示もありました。今回は、そんな素晴らしい展示2つに的を絞ってご紹介します。

Living Coast (→#2)
フンボルトペンギンとウミガメを中心とした小水族館。ストーリー性あふれる展示の中で、ハンズオンをうまく使って環境保全のメッセージを発信しています。

Family Play Zoo (→#3)
子供の博物館(Children's Museum)の発想を取り入れたコーナーで、子供達が楽しく遊べる展示がいっぱいです。

その他の展示
 オカピを中心にした"Habitat Africa〜Forest〜"は、オカピの生息地や保護センターを取り巻く人々のそれぞれの声を届けようという意欲的な展示です。残念ながら展示そのものはありきたりの(造りの安い)ものでしたが、動物を説明する種別ラベルが単なる図鑑的な解説ではなく、研究者・レンジャー・原住民それぞれの視点からの表現になっていました。ブルックフィールド動物園のパネルはこった物が多く、特に環境保全へのメッセージを前面に打ち出しているのが特徴的でした。

 ハンズオン装置も工夫されている物が随所にありました。中には、自分が鳥になって羽を動かそうという装置(胸の筋肉の強さを体験)や、昔ながらのザリガニ取りトラップを実際に鳥を飼っている展示の池の中から引っ張り上げてみる物もありました。
 

周辺の動物園など
リンカーンパーク動物園(Lincoln Park Zoo)市街地からすぐ北にある無料の動物園で、ブルックフィールド動物園と同じシカゴ市動物園協会の経営です。現代的で清潔な雰囲気で、日本で言えば神戸の王子動物園に近い雰囲気でしょうか。地面のコンクリが、小石の代わりに明るい茶色の樹脂を使っており、路面が明るくて柔らかい雰囲気だったのが印象的でした。
シェッド水族館(Shedd Aquarium)シカゴ市街地からすぐの所にある水族館。「世界最大の屋内水族館」が売りのようです。アマゾン川をテーマとした展示は、水量の変化に応じて生活している魚と、そこに暮らす人々の関係にも着目。ハンズオンの使い方がうまい、メッセージあふれる展示です。イルカのショーは、派手なジャンプなどは控えめに、イルカたちの能力と個体差、それに環境との共生をテーマとした内容になっています。
フィールド博物館(Field Museum)ネイティブアメリカンの民俗学的研究で有名な博物館だそうですが、アメリカの原生自然をテーマとしたジオラマ展示も超一級です。なお、誤解されそうな名前ですが、いわゆる野外博物館ではありません。
自然博物館(Nature Museum)リンカーンパーク動物園からちょっと北にあるいたところにあるちょっとした博物館で、シカゴ周辺の自然との共生をテーマにしています。館内には、バタフライガーデンもあります。

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