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動物たちの豊かな暮らし

エンリッチメント大賞 2008

今年のキーワードは“継続は力なり”!


 第7回目となったエンリッチメント大賞2008。今年は75件の応募がありました。第一次審査の書類選考を通過したのは、15園館20件。一次審査を通過した取り組みに対し市民ZOOスタッフ7名による訪問調査をおこない、その資料をもとに第二次の審査会が開催されました。
審査会で、以下の取り組みが、エンリッチメント大賞2008「動物園賞」「敢闘賞(2件)」に選ばれました。

 今年のエンリッチメント大賞の傾向としては、応募の段階から、大型施設の建設や奇抜な取組みが少なく、一見すると派手さを欠いたように見えました。しかし、1件1件の応募内容は奥が深く、「環境エンリッチメント」(以下エンリッチメント)本来の考え方、すなわち「動物のくらしを豊かにする」という目的をきちんと理解したものがほとんどでした。つまり、これまで以上に「エンリッチメント」という原点への回帰がみられたと言えます。

 今回受賞した3つの取り組みも、活動内容の奥が深いもので、担当者の飼育個体を思う気持ちが伝わるとともに、エンリッチメントを「継続」することの大切さを改めて実感しました。もちろん、こうした取り組みの背景には、周囲の関係者や市民の力強いサポートがあることと思います。今後もそうした多くの方々とともにたくさんの、エンリッチメントが進められることを望みます。


> 募集の詳細はこちら(募集終了) > 応募結果と審査方法


動物園賞

埼玉県こども動物自然公園 [ 埼玉県 ]

〒355-0065 埼玉県東松山市岩殿554
tel:0493-35-1234 / fax:0493-35-0248



【審査委員コメント】
 2006年度にエンリッチメントを学ぶ「ズーオリエンテーリング」でエンリッチメント大賞来園者部門を受賞している園が再度の受賞となりました。ロープを利用してナマケモノの行動範囲を広げたり、コアラの止まり木の角度を検討したり、朽木を置くことでコアリクイの給餌行動を発現させるなど、動物の行動特性を考えた様々な工夫と、園全体にいきわたるエンリッチメントに対する意識の高さが評価されました。特に今回応募のあったナマケモノ、コアラ、コアリクイの3つの取り組みは、(1)動物の福祉に配慮したユニークな取り組みであり、(2)お金をかけず、(3)他園館でも容易に参考にでき、(4)その取り組みを楽しく分かりやすいかたちで来園者に伝える、という動物園水族館でのエンリッチメントと環境教育にふさわしい取り組みであると思います。

>応募者のコメント  >受賞の声


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敢闘賞

鈴木 哲哉さん [ 名古屋市東山動植物園 / 愛知県 ]

〒464-0804 名古屋市千種区東山元町3-70
tel:052-782-2111(代表) / fax:052-782-2140



【審査委員コメント】
 東山動物園に暮らす2個体のアフリカゾウに刺激を与え、退屈さを軽減するために、ゾウの生活空間に毎日さまざまなエンリッチメントをおこなっています。効果と手間を自己評価したエンリッチメントの種類だけでも29あり、現在もそのレパートリーを増やす努力が続けられています。手間のかかるエンリッチメントも日常業務に組み込まれ、多様なエンリッチメントの試みが毎日ランダムに組み合わせることで、ゾウの常同行動をほとんどなくすことに成功しています。担当スタッフが変わっても継続できるような体制ができており、スタッフやボランティアガイドによって、内容を来園者にも伝え、楽しんでもらっている点も評価できます。地道な努力と、それを支える東山動物園の関係者の協力に敬意を表したいと思います。

>応募者のコメント  >受賞の声

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敢闘賞

延吉 紀奉さん [ 到津の森公園 / 福岡県 ]

〒803-0845 福岡県北九州市小倉帰宅上到津4-1
tel:093-651-1895 / fax:093-651-1917



【審査委員コメント】
 芯に針金を入れた手作りロープと普通のロープを組み合わせることにより、複雑な立体空間を作り出し、エリマキキツネザルの行動を活発化することに成功しました。また、こうした遊具を設置するだけでなく、継続的にビデオなどで記録し、評価をし、結果を踏まえて改善するというサイクル(S.P.I.D.E.R. model)を確立させているところに注目が集まりました。また、それらの結果を来園者にも公開しているところにも実力を感じます。手作りの看板やクイズを作製したり、植木などを配置したりすることにより、エリマキキツネザルの生息地であるマダガスカルに関する総合的情報を積極的に提供しているなど、バランスのよさも光りました。

>応募者のコメント  >受賞の声

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 惜しくも受賞にはいたらなかった取り組みについても、それぞれが動物たちの幸せのために工夫を凝らしたものでした。これらついてもエンリッチメント図鑑でご紹介しますので、合わせてご覧ください。


 市民ZOOネットワークでは、環境エンリッチメントの試みを、市民が理解し、評価し、応援する社会づくりを目指し、今後もエンリッチメント大賞を継続していきたいと思っています。

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