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動物たちの豊かな暮らし

エンリッチメント大賞 2019 一次審査を通過した取り組みについて

今回受賞した4件のほか、以下の5件が一次審査を通過しました。
札幌市円山動物園:ボルネオオランウータン口腔内チェックのための「真剣ゼミおとなちゃれんじ」
   応募の内容は、口腔内のチェックでした。しかし、現場のヒアリングから、オランウータンの身体全体の健康管理をしていることが分かりました。その健康管理の一つとして、歯科医師のサポートにより、人間と同様のレベルで口腔内チェックをできる技術を飼育員が習得するという試み(さらに、遠隔地からインターネットを活用した指導も実施している点)は注目に値します。さらなる深化と広がりを期待しています。
埼玉県こども動物自然公園:たくましいイエウサギがくらす「ぴょんぴょん村」
   タッチング(ふれあい)で活躍しているイエウサギ。原種の「アナウサギ」に特徴的な穴を掘るなどの行動を引き出すとともに、スター動物ではない動物にも等しく注がれる熱意が感じられる取り組みです。新施設によってウサギの身体的・行動的な改善がみられたことについて、定量的な評価がなされつつ、すべてのふれあい個体の福祉向上につながるような取り組みの継続・発展を望みます。
公益財団法人日本モンキーセンター:Wao屋根完成による様々な効果
   多くの動物園・水族館で組織全体でのエンリッチメントが進められるようになってきましたが、この「Wao屋根」設置にあたっては、クラウドファンディングを活用しSNSで情報発信を積極的に行うなど、エンリッチメントの努力に利用者を参加させ、社会に働きかけたという点が大いに評価されます。その努力の先には国内の霊長類たちの飼育環境を自分たちが支えていくんだという覚悟があります。今後の展開を楽しみにしています。
西海国立公園九十九島動植物園森きらら:園全体でのエンリッチメントの取り組みについて
   園全体でS.P.I.D.E.R.モデル(エンリッチメント実施の際の、目標設定・計画・実施・記録・評価・再設定といったサイクル)をはっきりと意識してプログラムを運営している点が評価されました。数年前ならば大賞受賞案件だったかもしれません。「記録」や「評価」といった部分の課題をクリアして個体福祉の向上にどう寄与したかを把握しつつ、システム化した取り組みを継続していくことに期待します。
神戸市立須磨海浜水族園:隔離したゴマフアザラシへのエンリッチメント
   繁殖期に隔離されるオスのゴマフアザラシの行動レパートリーの増加などを目的に行なわれました。チーム全体でデータを評価し、新しい取り組みを順に進めていることから、S.P.I.D.E.R.モデルに即している取り組みであると感じられます。今後は、種や個体の行動特性に応じた観察・解析方法を検討し、信頼度の高い考察をおこなうとともに、制約の多い施設を今後どうするのかという根本的な課題についての方向性を示すことを望みます。
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