恩賜上野動物園東京都
クマたちの丘

「クマたちの丘」では、明確な四季のある日本に暮らしているツキノワグマの本来の生活を再現するとともに、冬籠もりを成功させました。また、モニターなど を利用して、その様子をリアルタイムで来園者に見せました。この “動物本来 の(動かない)生活を再現し、その姿を見せる”展示は、「行動しない展示」として画期的なものでしょう。また、野生では同所的に暮らす複数種の動物たち が、時間差で同じ場所を使うという工夫もされています。これらは長年にわたる計画と地道な調査研究、そして動物の様子を詳細に観察したことを基本として科 学的に取り組まれたものです。新しく完成した施設に対してというより、こうした発想と実現に向けた努力に対して、審査員全員の高い評価を得ました。
審査委員会では「単に観客動員のためにつくられた施設ではなく、動物の生態や行動を綿密に調査して設計している」「完成後も大学との共同研究で、 冬眠中の呼吸数や脈拍などの生理機能の変化を科学的手法で測定するなど、ソフト面もしっかりしている」「飼育係の時代から抱いていた考えを実現させた、小 宮輝之園長の情熱と意志に対しても評価したい」という声も聞かれました。今後の更なる工夫に期待したいと思います。

